「直腸性便秘」って聞いたことはありませんか?直腸性便秘は「スーパー便秘」とも呼ばれ、この便秘によってかなり多くの人が深刻な症状に悩まされています。。
私も産後に辛い便秘に悩まされていましたが、自分が直腸性便秘だと知ったのは便秘になってしばらく経ってからでした。何を試しても何かが完全にフタをしているように全く排便できないのです。同じ症状の人ならわかると思いますが、本当に苦しいですよね。
直腸性便秘に悩んでいる人、また、「自分で直腸性便秘なのかな?」と思っている人は絶対に、見てください。
目次
直腸性便秘ってどんな便秘?
「私の便秘って直腸性便秘なのかも…」と思っている人もいると思います。直腸性便秘の最も大きな特徴は便意をあまり感じないことです。
健康な人は、便が肛門付近まで来ると、それが自然に脳へと伝わり便意を感じます。しかし、直腸性便秘の人の場合は、便が肛門近くまでやってきても、脳へ便意を伝えるセンサーが何かの原因で働かないので、便意を感じることができないのです。その結果、直腸(肛門近くの腸)に水分の少ないカッチカチの便が長くとどまり、出口にフタをするような形で便秘になってしまいます。
直腸性以外のタイプの便秘
自分の便秘が直腸性便秘なのかどうか確信が持てない場合は、他のタイプの便秘も見たほうがいいですね。
便秘にはいくつかのタイプがあり、どんな方法が自分の便秘を解消するかは、どのタイプの便秘かによってまったく違います。まずはあなたがどのタイプなのか確認しておきましょう。
弛緩性便秘
弛緩性便秘はもっとも多いタイプの便秘です。腹筋がよわったり、腸のうごきが鈍ることで便が長いあいだ腸内に留まるようになります。腸は、便が腸にとどまるあいだ水分を吸収し続けるので、便が固くなり便秘になってしまいます。
お腹が張ってもお通じが来ないと言う症状が出ます。
けいれん性便秘
けいれん性便秘はいわゆる過敏性腸症候群です。ストレスや精神不安などが原因で、腸の一部分がけいれんし、狭くなってしまうことで便がスムーズに動かなくなってしまいます。
この便秘になると急に強い便意や痛みを感じたり、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が起きます。
直腸性便秘の症状は痛みや下痢などさまざま
直腸性便秘の人は便意を感じるセンサーが弱り、直腸に便がたまってしまうせいで、以下のような症状が出てしまいます。
- 排便時に痛みや違和感がある
- 便秘薬を使うと下痢になりやすい
- 便が固く排便しづらい、排便に時間がかかる
- 排便後も腸に残ったようにすっきりしない
排便時に痛みや違和感がある
直腸にたまったゴリっと石のように固くて大きい便が排出されてくるので、排便するときに痛みや違和感を伴うことがあります。
便秘薬を使うと下痢になりやすい
直腸性便秘の場合、便意は感じにくくなっていますが、腸は正常に動いているので便秘薬によっては下痢を起こしやすいのです。
便が固く排便しづらい、排便に時間がかかる
水分量が少なく固い便が直腸でたまり、フタのように出口をふさいでしまうので排便しづらく、長い時間がかかってしまいます。
排便後も腸に残ったようにすっきりしない
固くなってしまった便は腸の中で動きづらく、排便できてもすべて出し切ることが難しくなってしまいます。
▼便秘による腹痛についてはコチラも参考にしてください! |
直腸性便秘がさらに危険な病気の原因に・・・
「最近便秘だけど、しばらくたてば良くなるよね、、」と便秘を放置する人が多いですが、直腸性便秘はほとんど自然に治りませんし、ヒドくなるとガンなど命にかかわる病気の原因になるかもしれません・・・
大腸がんの危険性を高める
直腸便秘が続くと、大腸に大きな負担がかかり、大腸がんなどの危険性が高まってしまいます。全てのガンのうち、最も日本人女性の死因として多いのが大腸ガンなので注意が必要です。
脳卒中を引き起こしてしまうかも・・・
排便が上手く行かない時に強くいきんでしまうかもしれませんが、これは血圧をかなり上昇させてしまうんです。「脳卒中で意識を失う場所の20%がトイレ」と言われているので注意した方が良いですね。
固い便は痔の原因にもなる
腸や肛門はとてもデリケートなので、固すぎる便を押し出そうとすると切れて出血してしまったり、傷ができてしまう事があります。これは、切れ痔やいぼ痔の原因になる事があります。また、肛門だけでなく腸にもダメージを与えてしまいます。
下痢と便秘を繰り返しやすくなる
便が固い人は、腸内環境が乱れている場合がほとんどなんです。腸内環境が悪いと便秘だけでなく下痢も繰り返してしまいます。
また、腸内環境の悪化は、免疫力の低下やアレルギーの悪化などを引き起こし、様々な病気にもかかりやすくなってしまいます。
直腸性便秘の一番の原因は我慢すること
仕事中などに便意が来ると、どうしても我慢してしまう時ってありますよね。しかし、直腸性便秘にもっとも多い原因は排便を我慢することです。また、便秘薬を日常的に使うことが原因になっていることもあります。
便意の我慢
便意を感じてもそれを我慢し続けていると、直腸にあるセンサーが便が来ているという刺激に慣れてしまい、直腸から脳への伝達が伝わりにくくなってしまいます。
痔
肛門付近に痔などの問題がある場合に排便が正常に行わなかったり、我慢してしまう事が多く、それがこの便秘につながってしまう事もあります。
直腸瘤(ちょくちょうりゅう)レクトシール
直腸瘤はレクトシールとも呼ばれ、女性特有の症状です。直腸にポケットのようなくぼみができ、便がつまってしまう事で起こります。直腸瘤も直腸性便秘と同じく、便秘を我慢してしまうことでできてしまいます。
骨盤底筋の緊張
女性は排便するときに力をいれると、骨盤底筋や肛門括約筋という肛門周辺の筋肉が緊張してしまい、肛門を閉じてしまうクセがついてしまうということもあります。
浣腸などの日常的な使用
浣腸や下剤を日常的に使っていると、それなしでは排便できなくなり、便秘になってしまいます。
老化による神経の低下
老化により神経の働きが鈍くなることでも、排便のサインが受け取りづらくなっていきます。
直腸性便秘になりやすい人の特徴
直腸性便秘は、便を我慢することで起こりやすいのでよく便意を我慢することがある人、せざるを得ない理由がある人に多いのです。さらに女性では、出産や手術などが影響してしまう事もあります。以下が直腸性便秘を患う人に良く見られる特徴です。
- いつもトイレを我慢している
- 痔などの肛門に病気や疾患がある
- 直腸瘤がある
- 出産や子宮摘出経験がある
直腸性便秘に効果的な解消法
直腸性便秘は放っておくとなかなか治りませんが、薬に頼らず、自然なお通じを目指すことが改善への近道です。生活習慣や食生活を見直すこと改善することが多いので、効果的な解消法を見ていきましょう!
便意を我慢しない
直腸性便秘の1番の原因が「便意の我慢」です、まずは「絶対にトイレに行けないとき以外は便意を我慢しない!」と固く決意してください。
便意を我慢しない習慣を付けることと同じくらい、トイレに行く習慣を付けることも大事です。
便が出ても出なくても、きまった時間にゆっくりトイレで過ごす「トイレタイム」を作ってみましょう。できれば朝、起きてから出かけるまでに時間を決め、5〜10分ほどトイレに座ってみましょう。起きた時に温かいものを飲むなどして腸に刺激を与えるとお通字が気安くなります。
排便の習慣を脳にすりこむことが目的なので、新聞や雑誌、スマホなどを持ち込んで気分転換がてら、始めてみるのはいかがでしょう。
食物繊維の摂り方に注意!!
あまり知られていませんが、食物繊維にはそれぞれ異なる働きをする2種類の食物繊維があるんです。この2種類はどちらも便秘に良い働きをしますが、バランスよく摂ることがとても重要なのです。多くの食物繊維を摂っていても、この2つのバランスが悪いと逆効果になってしまうことがあるんですよ。
それでは、その2種類の食物繊維とは何なのか、見ていきましょう。
直腸性便秘の人が摂るべき水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは、水に溶けるタイプの食物繊維で、便をゲルのように柔らかくすることで、排便をスムーズにする効果があります。また、腸内環境を整える効果のある善玉菌を増やす働きもあります。
水溶性食物繊維は便秘を改善するだけでなく、コレステロールを減らす、血糖値の上昇をゆるやかにする、満腹感が続くのでダイエットに良い、などの体にうれしい効果もあります。
摂りすぎてはいけない不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、反対に水には溶けない食物繊維で、コロコロと小さい便をひとまとめにする事で、腸を刺激しやすくしてくれます。これは弛緩性便秘の人にピッタリの効果です。
しかし、不溶性食物繊維は直腸性便秘の人が摂りすぎてしまうと、便をさらに固くしてしまい良くありません。
これらの食物繊維は、水溶性1に対して不溶性を2のバランスが理想的な割合です。意識してみて下さい。
水溶性食物繊維が多い食品
水溶性食物繊維がたくさん含まれる野菜は不溶性食物繊維に比べて少ないのですが、その中でも日常で使いやすいものをご紹介します。
食材名 | 水溶性食物繊維(100g当たり) | 不溶性食物繊維(100g当たり) |
エシャロット | 9.1g | 2.3g |
ニンニク | 3.7g | 2.0g |
ゴボウ | 2.3g | 3.4g |
アボカド | 1.7g | 3.6g |
オクラ | 1.6g | 3.6g |
モロヘイヤ | 1.3g | 4.6g |
らっきょう | 19.0g | 2.4g |
挽きわり納豆 | 2.0g | 3.9g |
ライ麦粉 | 4.7g | 8.2g |
骨盤底筋を緩める
骨盤底筋の筋肉が緊張してしまうクセがある人は、緊張を緩めて便が出やすい状態にする必要があります。
その方法は、排便の時に前傾姿勢でつま先を少し上げた状態でトイレに座ります。肛門に力をいれるのではなく、腹筋や背中の力を意識してください。この姿勢だと、強くいきまなくても自然に排便することができます。
骨盤底筋の緩めるトレーニング
- まっすぐ立ち、おなかとおしりに片側ずつ手を当てます。
- 体をリラックスさせ、おへそと肛門に軽く力を入れます。それを2~3回繰り返します。
- おへそと肛門をゆっくりとした動きで強く引き締めて、またゆっくり緩めます。2~3回繰り返します。
- おへそと肛門を締めながら腰をぐっと持ち上げた状態でゆっくり緩めます。これも2~3回繰り返します。
これが1セットで、1日に5~10回ほど繰り返しましょう。二時間おきにすると効果的です。ポイントは骨盤底の筋肉のみで運動することです。骨盤底筋は、おならを我慢するときに力が入っている筋肉なので、その部分を意識して勢いをつけずにゆっくりとやって
みてください。
寝た状態やお風呂、通勤時などどこでもできるので、ヒマな時間などを使って続けてみてください。
便秘薬の使用は危険
直腸性便秘は、便秘薬の使用によって状況が悪化してしまう可能性があります。一般的な便秘薬は、効かないものがほとんどです。
もしどうしても使いたい場合は、。「便を柔らかくするタイプ」の便秘薬や浣腸(かんちょう)を選ぶようにしましょう。直腸あたりに硬便がつまっている感覚がある場合は、効果があるかもしれません。ただし、乱用すると健康に影響が出てしまいます。
直腸性便秘は早めに治してしまおう
直腸性便秘は放っておいても治ることは少なく、むしろ悪化してしまう事の方が多いです。悪化してしまうとたくさんの苦しい症状に悩まされるだけでなく、ほかの病気の原因になってしまう事もあります。
しかし、きちんと対策をすれば必ず治ります。特に直腸性便秘はできるだけ早く対処することがとても大事ですから、今すぐ自分に合いそうな方法から始めましょう!きっと本来の自然な排便を取り戻すことができますよ。私も直腸性便秘に苦しんでいた時、固い便に肛門が切れてしまったことがあり、痛いし、なんでこんな事になるんだろうと泣きそうになりました。しかし、生活習慣や食習慣を変えて少しずつ改善し、ついに自然に排便する習慣が身についてからは、そのような症状からは完全に開放されました。
直腸性便秘に苦しむたくさんの人たちが、この記事を読んで便秘から開放されることを願っています。
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