「腸内環境を整えて便秘を改善しましょう。」こんなフレーズ、よく耳にしますよね。
腸は私たちの美容や健康のカギとなる重要な役割を果たしているのですが、特に腸内環境はとても重要です。腸内の状態が悪くなると便秘に直結してしまいますし、腸内を良い状態に保つことはストレスのない生活のために必須と言えるでしょう。私も産後はヒドイ便秘に悩まされ、そこから3年以上もひどく悩んでいましたが、腸内環境を整えることを意識して生活し始めると、便秘が解消しただけでなく美容の面でもかなりストレスが減りました。「腸内環境を良くしたい!便秘から解放されたい!」という人は、ぜひ読んでください。
目次
腸内環境とは大腸にいる菌のバランス
「生物の本体は腸であり、体の他の部分は腸が栄養を摂るための道具に過ぎない」と考える人もいるくらい、腸は体の中で重要なとても重要な器官です。その腸の環境、「腸内環境」は、大腸にいて私たちの体に良い働きをする「善玉菌」と悪い働きをする「悪玉菌」のバランスのことを言っています。人間の腸は胃の下を大きく2つに分け、小腸と大腸と呼んでいますが、この大腸の中の話なんですね。
善玉菌と悪玉菌はどちらも共存できるようなものでなく、どちらかが増えるともう片方は減ってしまうという関係にあります。また、腸内の壁面は、びっしりと腸内細菌によって埋め尽くされていて、この様子をお花畑に例えられ、「腸内フローラ」と呼ばれることもあります。
腸内環境の悪化はツライ症状を引き起こす
腸内環境が悪いと便秘になりやすくなります。それだけでなく、たくさんの-不快な症状も起こりやすくなってしまいます。
便秘を放置し、慢性化すると腸内環境がさらに悪くなる
便秘は苦しいけれど、どうすればいいのかわからず、そのまま放置している人も多いのではないでしょうか。
便秘の原因は、悪い食生活やライフスタイルに問題があることが多いので、放っておいても治ることはめったにありません。また、便秘が長く続くと腸内環境はさらに悪化してしまいます。元々は腸内環境の悪化が原因で便秘になったのに、その便秘がさらに腸内環境を悪化させるという悪循環に陥りやすいです。
放置するとどんどんガスがたまる
腸内環境が悪くなると、お腹にはどんどんガスがたまってしまいます。ガスがたまること自体は病気ではないにしても、毎日お腹が張っているのは思ったよりとても苦しいです。我慢できないほど深刻になる前に対策したほうが良いでしょう。
女性に増えている停滞腸
停滞腸とはその名の通り「動きの悪くなってしまった腸」のことです。女性は男性と比べると腹筋などの筋力が弱く、腸の動きが鈍くなりやすいです。便秘になりやすいので、腸内環境の悪化が重なってしまうと停滞腸という恐ろしい状態に陥ってしまいます。
むくむのは脚だけじゃない?腸もむくむことがある
腸がむくむなんて、考えたこともない人が多いのではないでしょうか?
腸がむくんでしまう理由はいくつありますが、一番の原因は腸内環境の悪化です。腸はむくんでしまうと、腸がぜん動運動の仕方を忘れてしまうという恐ろしい事態になってしまうことがあります。
妊婦の人は赤ちゃんへの影響も心配・・・
母親の腸内細菌は、赤ちゃんへと引き継がれることが分かっています。お腹の中では赤ちゃんの腸の中は無菌状態なのですが、自然分娩なら産道を通ってくるときに膣中にいる菌に触れたり、便に触れたりして母親の腸内フローラを引き継ぐのです。
妊活中の人にも意外と見落とされがちですが、気を付けておくに越したことはないですよね!
便秘は深刻な病気の原因にもなってしまう
便秘になっても放置する人は多いですが、悪化するとガンなどを引き起こし命を脅かす病気になってしまうかもしれません。
便は腸の中に長く留まると毒素や有毒ガスを発します。腸は便から水分だけでなく、毒素やガスなどもいっしょに吸収してしまい、それらが血液に乗って体中をめぐるので、たどり着いた先でさまざまなトラブルを引き起こすのです。
口臭や体臭、肌荒れ
便から発生した有毒ガスは、オナラなどとして体から出てくる他に、肺にたどり着くと臭いとなって口から出て口臭に、皮膚から出ると体臭となってヒドイ臭いを発してしまいます。また、有毒ガスと一緒に皮膚にたどり着いた毒素が、肌荒れを引き起こします。
風邪やアレルギー
さらに、便秘のせいで悪化した腸内環境が原因で、免疫力が下がり、風邪などのいろいろな病気にかかりやすくなってしまったり、アレルギー症状がヒドくなったりしてしまう事もあります。
死亡リスクも高い大腸ガン
体の免疫力が下がると、あなたの体がガン細胞を退治できなくなってしまい、ガンの発生頻度が高くなってしまいます。また、大腸に長くとどまっている便からは毒素や有毒ガスが放出されるので、便秘になると大腸がんになるリスクが増大するのです。
また、日本の女性の死因として1番多いガンが大腸ガンなのです。
不妊を引き起こす可能性もある
「え?便秘と不妊って関係あるの?」と意外に思ったかもしれません。あまり知られていませんが、実は腸内環境は、妊娠しやすさと関係があると言われています。
骨盤の中には大腸の他に子宮や卵巣、卵管などの赤ちゃんを作るための臓器がたくさん入っています。お隣さんである大腸が毒素をどんどん発生させれば、毒素を含んだ血液が流れたり、腸が子宮が近くにある子宮や卵巣を圧迫することがあります。
また、先ほど述べたように腸内環境が悪くなって便秘になると、不妊に繋がりやすくなってしまう原因は以下のようにいくつも考えられます。
- 免疫が落ちる
- 消化機能が落ちて栄養を十分に吸収できなくなったる
- 体が冷えやすくなる
- ストレスを感じやすくなる。
これらのように命にかかわる病気や自分の赤ちゃんに影響してしまうリスクもあるので、便秘はできるだけ早く改善していきましょう!
腸内環境がいいとすごくお得!
腸内環境が悪くていいことは一つもありませんが、腸内環境を改善するといいことがたくさんあります!
免疫力がアップする
腸の中には免疫細胞のおよそ7割が集まっているといわれています。腸内環境を整えると
風邪などの病気になりにくくなりますし、治りもはやくなります。
体臭にも影響?臭いを軽減
いつも清潔にしているのに体臭や口臭がきついという場合は、腸内環境が悪くなっているかもしれません。
腸内環境が悪いと口臭や体臭の原因になってしまうと言いましたが、もちろん反対に、腸内環境を整えていけば口臭や体臭だって改善されるんですよ。
悪玉菌を減らし善玉菌を増やす
腸内に細菌が生息できる場所には限りがあるので、善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いをしています。
悪玉菌が増えてしまっている悪い腸内環境の腸の中では、メタンガスが作られ強い臭いを発しています。健康な人の腸内は酸性ですが、状態の悪い人の腸はその逆のアルカリ性です。腸はアルカリ性になると、動きが鈍るので便秘が起きてしまいます。この状態を弛緩性便秘と言います。
腸内環境が改善し、悪玉菌が猛威を振るっていた腸内に善玉菌が増えてくると、腸内は善玉菌によって作られた短鎖脂肪酸という物質で充満します。短鎖脂肪酸によってアルカリ性だった腸は酸性に戻り、腸が活発に動くようになって便秘が解消するのです。
このように、善玉菌と悪玉菌をいかにコントロールするかが腸内環境改善のカギになります。
腸内環境のためには食物繊維!!、、、ってホント?
「食物繊維は腸内環境を改善します。」このような事をよく聞きますが、それは本当なのでしょうか?
1日に必要な食物繊維の量は、最低でも20gとされています。また、現代人が1日に摂っている食物繊維の量は13~15g程度なので、5~7gくらい足りていないということになりますね。ということから私たちの食生活に食物繊維が不足しているのは間違いないようです。
しかし、食物繊維なら何でもいい、ということではありません。じつは、食物繊維にはそれぞれ異なった、便秘に良い働きをする2種類の食物繊維があり、この2種類をバランスよく摂ることがとても重要なのです。多くの食物繊維を摂っていても、逆効果になってしまうことがあるので気を付けなければいけません。
それでは、その2種類の食物繊維を詳しくご紹介します。
腸内環境を改善し、便をやわらかくする水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは、その名の通り水に溶ける食物繊維なのですが、便を包みこんで柔らかいゲル状にし、便をスムーズに動かす働きがあります。また、善玉菌のエサとなり、善玉菌の数を増やしてくれます。という働きから便が固くなってしまっている人や、直腸性便秘の人には特におすすめです。
さらに水溶性食物繊維は、コレステロールを減らす、血糖値の上昇をゆるやかにする、満腹感が続くのでダイエットに良い、などの体にうれしい効果もあります。
便を大きくし、腸の動きを活性化させる不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水溶性食物繊維とは反対に水に溶けない食物繊維なのですが、腸の中で水分を吸収して大きくなることで、便のかさを大きくし、大きくなった便が腸を刺激することで排便をうながす、という効果を持っています。ですので、腸のぜん動運動が弱いために起こる、弛緩性便秘に悩んでいる人や、下痢になりやすいという人にはおすすめです。
これらの働きから不溶性食物繊維は便秘解消にとても役立つのですが、こちらの食物繊維ばかり摂っていると、腸内の水分が吸収され過ぎて便がカッチコチになり、便秘を悪化させてしまうことがあるんです。これはけいれん性便秘と直腸性便秘の症状を悪化させてしまう事があります。また、一般的に不溶性食物繊維が多く含まれている食品のほうが多く、こちらを摂りすぎてしまっている場合が多いので注意が必要です。
この2つの食物繊維は、水溶性:不溶性を1:2のバランスで摂ることが理想とされています。「食物繊維を必死で摂っているのに、便秘がどんどんひどくなってる・・・」なんてことにならないように、この割合を意識してバランスよく摂取するようにしましょう。
水溶性食物繊維が多く含まれる食材
水溶性食物繊維がたくさん含まれる食材は不溶性食物繊維に比べて少ないのですが、その中でも日常で使いやすいもの、食物繊維以外の栄養も豊富なものなどをご紹介します。
食材名 | 水溶性食物繊維(100g当たり) | 不溶性食物繊維(100g当たり) |
エシャロット | 9.1g | 2.3g |
ニンニク | 3.7g | 2.0g |
ゴボウ | 2.3g | 3.4g |
アボカド | 1.7g | 3.6g |
オクラ | 1.6g | 3.6g |
モロヘイヤ | 1.3g | 4.6g |
らっきょう | 19.0g | 2.4g |
挽きわり納豆 | 2.0g | 3.9g |
ライ麦粉 | 4.7g | 8.2g |
オリゴ糖を含む食品
オリゴ糖も、便秘にはとても効果的な食品です。腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす作用があります。ミネラルの吸収を高め、腸内環境を整え、便秘の改善を促してくれます。
オリゴ糖については便秘改善にはオリゴ糖!!私の慢性便秘を2日間でスッキリ解消した方法に詳しく書いているので見てみてくださいね。
オリゴ糖は、直接オリゴ糖として料理などに使うこともできるのですが、野菜や果物などの食材にも含まれていて、こちらもおすすめです。ということで、オリゴ糖が含まれる野菜と、その野菜100gに含まれるオリゴ糖の量を見ていきましょう。ちなみに便秘解消に必要な1日に摂るべきオリゴ糖の量は約5gです。
オリゴ糖が含まれる食品
食品名 | 100g当たりに含まれるオリゴ糖の量 |
ヤーコン | 8.0g |
きな粉 | 7.0g |
甜菜 | 5.0g |
インゲン | 3.7g |
ゴボウ | 3.6g |
玉ねぎ | 2.8g |
納豆 | 2.0g |
ハチミツ | 1.5g |
バナナ | 0.3g |
発酵食品
食べ物で善玉菌を増やすには「腸内で善玉菌のエサとなる食品を摂ることと「善玉菌を含む食品を摂ること」の両方が必要です。
善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維やオリゴ糖をしっかり摂ることも大事ですが、善玉菌を含むのは、ヨーグルト・乳酸菌飲料・味噌・漬物などの発酵食品です。とくにヨーグルトには豊富に含まれているので、毎日ヨーグルトを食べる習慣を身につけることはとってもおススメです。注意するべきことは、ヨーグルトには脂質が多く、乳酸菌飲料には糖質が多いので摂りすぎないようにすることです。
また、和食が好きなら味噌汁や漬物、納豆などで善玉菌を摂っていきましょう。
生活習慣を整える
睡眠不足や不規則な食生活、過度のアルコール摂取、暴飲暴食などの悪い生活習慣は悪玉菌を増やす要因になります。
不規則な生活は自律神経のバランスをくずし、腸の働きを乱します。緊張したときに便秘になりやすいのは、自律神経と腸に密接な関係があるからです。自律神経を乱さないようにできるだけ毎日同じ時間に寝る、同じ時間に起きる、同じ時間に食事を摂るなど心がけることが大切なのです。
なるべく決まった時間に食事をして、できるだけ睡眠時間は6時間以上とるようにしましょう。
ストレスを減らす
ストレスも悪玉菌を増やして腸内環境を乱してしまいます。
胃腸の動きは自律神経がコントロールしていますが、ストレスを受けすぎると自律神経が乱れて胃や腸の動きが弱まります。そうなると、消化が不十分になったり、腸のぜん動運動が弱りまり、腸内環境悪化につながってしまうのです。
仕事やプライベートなどでストレスを受けるシーンは多いですが、趣味や音楽、スポーツなどを通してストレスを発散したり、軽減したりしていくことが大事です。
軽い運動をする
運動はストレス解消に効果的ですが、直接腸内環境も改善してしまうのでとてもおススメです。
運動をすることで、腸が刺激されてぜん動運動が活発になったり、筋力が上がり便を出しやすくなったりします。
ポイントは、毎日続けるということ。運動不足を解消する程度でも良いので、毎日20分間のウォーキングやジョギングをしたり、お腹の部分をひねるようなストレッチをしたり、とにかく毎日続けられる程度の軽い運動を始めてみましょう!
コーヒーを飲んでみる
「コーヒーは体に悪い」とあまり飲まないようにしている人もいるのではないでしょうか?実はコーヒーも腸内環境を良くする働きがあるのです。
過敏性腸症候群やけいれん性便秘など一部の便秘には、コーヒーのカフェインが腸を刺激してしまい、便秘を悪化させてしまう事もありますが、弛緩性便秘などの場合、カフェインは腸のぜん動運動を活発にし、便秘を改善してくれます。
コーヒーにはコーヒーオリゴ糖という糖類が含まれており、腸内の善玉菌のエサとなるオリゴ糖と同じように働いて腸内環境を良くするのに役立ちます。
コーヒーで腸内環境を改善したい場合、まずあなたの便秘タイプを確認し、飲みすぎないように注意しながら試してくださいね。
善玉菌が摂れるサプリメント
生活のなかで腸内環境を整えていくのが理想ですが、サプリメントを使うとより簡単に改善できるでしょう。サプリで効果が実感できれば腸内環境の改善に前向きになり、さらに生活習慣の改善にやる気が出るかもしれません。
専用のサプリなら善玉菌がギュッと凝縮されていますし、カロリーも非常に低く、乳製品が苦手な方やダイエット中の方も使えます。
腸内環境改善サプリを選ぶときに気を付けること
- 善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を含む製品を選ぶ。
- 乳酸菌の配合されているものはおすすめ、自分に合った乳酸菌の種類を選ぶ。
- 熱や酸にも強い「有胞子性乳酸菌」なら確実に腸内まで届けてくれる。
腸内環境や便秘は早めに改善してしまおう!
腸内環境は、良いと健康にも美容にも大きな味方になってくれますが、悪いと普段の生活の中で足を引っ張る存在になってしまいます。また、便秘や悪化した腸内環境は放っておいてもなかなか自然には治りません。
私は長い間便秘に苦しんて来ましたが、これらの方法を続けることによって腸内環境が飛躍的に改善し、便秘に悩むことも今では全くありません。
私が試した6つの方法は
- 食生活に気を付ける
- 生活習慣を整える
- ストレスを減らす、解消する
- 軽い運動する
- コーヒーを飲んでみる
- サプリメントを試す
腸内環境は日ごろの小さな習慣を変えることで大きく改善します。少しでも悩んでいる人は何か小さなことから始めてみてはいかがでしょうか?
この記事があなたの腸内環境や便秘を改善するのに役立ちますように。
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