「固くてぜんぜん出ない・・・」便が固いせいで便秘になってしまうことってありますよね。
私も便秘が続くと、固い便がフタをして排便を妨げてしまっているような状態になることがあり、長時間がんばってみても「こんなの絶対出ないよ・・・」途方に暮れてしまうことがよくありました。そんな事になっても、なんとなく周りの人には相談しづらく、「病院に行くほど深刻じゃないよね」とそのまま放置してしまうことが多いのです。また、強くいきんで固い便を無理やり出そうとすると、おしりに激痛が走り、ヒドイと切れてしまうこともあるのです。便が固くて悩んでいる人はぜひ、見てください。
目次
固い便による便秘はこんな悲劇を引き起こす、、、
便が固いからといって強くいきんだり、長時間ふんばったりしていませんか?
固い便はそのまま放置していても良くならないケースが多いです。さらに、長期間つづいてしまうと痔などのツライ症状や脳卒中などの命にかかわる病気になる危険性も高まってしまいます。
強くいきむことで脳卒中になる危険性が高まる
便がスムーズに動かないからと言って、強くいきむと血圧が40~60mmHgも上昇してしまう事があります。脳卒中で倒れる人の約2割がトイレの中というデータもあるので気をつけたほうが良さそうですね。
カッチカチの便は、切れ痔やいぼ痔を引き起こす
固くなった便はコンクリート並みの硬さになることもあります。そんなに固い物が、細い腸を通って出てくると、激痛が走り出血を伴うこともあります。
さらに、ガチガチに硬い便を無理やり押し出そうとすると、肛門の近くに傷がついたり裂けたりしてしまい切れ痔になったり、強くいきむことでいぼ痔になったりしてしまうことがあります。
固い便が腸壁も傷つける
硬い小石のような固い便は、排便のときの痛みだけでなく、腸の内側を傷つけてしまうリスクもあります。
下痢と便秘を繰り返しやすくなる
便が固くなっているのは、腸内環境が悪くなっている証拠です。これを放っておけば、過敏性腸症候群などの、下痢や便秘を繰り返す病気になってしまうかもしれません。
絶対ダメ!便秘を放置すると深刻な病気に・・・
便秘になっても放置する人は多いですが、悪化するとガンなどを引き起こし命を脅かす病気になってしまう可能性があります。
便は腸の中に長く留まる便はとどまると毒素や有毒ガスを発します。腸は便から水分だけでなく、毒素やガスなどもいっしょに吸収してしまい、それらが血液に乗って体中をめぐるので、たどり着いた先でさまざまなトラブルを引き起こすのです。
口臭や体臭、肌荒れ
便から発生した有毒ガスは、オナラなどとして体から出てくる他に、肺にたどり着くと臭いとなって口から出て口臭に、皮膚から出ると体臭となってヒドイ臭いを発してしまいます。
また、有毒ガスと一緒に皮膚にたどり着いた毒素が、肌荒れを引き起こします。
風邪やアレルギー
さらに、便秘のせいで悪化した腸内環境が原因で、免疫力が下がり、風邪などのいろいろな病気にかかりやすくなってしまったり、アレルギー症状がヒドくなったりしてしまう事もあります。
死亡リスクも高い大腸ガン
体の免疫力が下がると、あなたの体がガン細胞を退治できなくなってしまい、ガンの発生頻度が高くなってしまいます。また、大腸に長くとどまっている便からは毒素や有毒ガスが放出されるので、便秘になると大腸がんになるリスクが増大するのです。
また、全てのガンのうち、最も日本人女性の死因として多いのが大腸ガンなのです。
このように命にかかわる病気になるリスクもあるので、便秘はできるだけ早く改善していきましょう!
便が固いあなたには2つの便秘タイプが考えられる
便秘にはいくつかのタイプがあり、あなたがどのタイプに当てはまるかによって解決策はかなり違ってきます。腸の形による便秘、ストレスや緊張による便秘、排便を我慢しすぎることによる便秘など、それぞれ原因も異なるので、まずは自分がどのタイプなのかを確認してみましょう。
大腸の異常などでおこる器質性便秘
腸管を手術したことによる腸の癒着や、なんらかの病気、生まれつきの腸の形などが原因で起こってしまう便秘を、器質性便秘といいます。
この便秘は、食生活や生活習慣の改善だけでは、ほとんど治らないので、病院で受診して外科手術などの治療を行うことが必要です。
ほとんどの便秘に悩む人は機能性便秘
「外科手術が必要」などと怖がらせてしまったかもしれませんが、ほとんどの便秘に悩む人たちがこの、機能性便秘です。機能性便秘はさらにいくつかのタイプに分けられます。
けいれん性便秘
けいれん性便秘は、緊張することなどによって腸の一部が収縮し、便がスムーズに送られにくくなることで起こるタイプの便秘です。
このタイプの人は、便がウサギの糞のように硬くてコロコロしているという特徴があります。ストレス以外にも、便秘薬を日ごろから使うことでけいれん性便秘になることがあります。
直腸性便秘
直腸性便秘は、便意を我慢したりすることなどによって、便意を感じるセンサーが弱まってしまう事による便秘です。腸は正常に動いていても、便意を感じないので便秘になってしまいます。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は、運動不足や老化によって腹筋などの腸を動かしている筋肉が弱くなり、腸の動きが悪くなってしまう事で起こるタイプの便秘です。
どちらかというと女性に多く見られるタイプの便秘で、便の形は細くて千切れがちになります。
便が固くなってしまっている人は、けいれん性便秘か直腸性便秘の人が多いので、自分の便秘に合う解消法を取り入れるようにしましょう。
腸を進むスピードが遅いと便は固くなる
あなたの便が固くなってしまっている原因は、ほとんどの場合、>便が腸を進むスピードが遅くなっているせいなんです。そのスピードが落ちてしまうのにはいくつかの理由があります。
水分不足
便が固くなってしまっている一番の原因は水分不足です。体内の水分が不足すれば、当然、便を作り出す水分も少なくなってしまいます。
健康な便は、全体の70~80%が水分でできています。その水分が60%程だと便は固くなってきてしまい、さらに60%を下回るとウサギの糞のようなコロコロとした便になってしまいます。50%付近になるとカチコチに固くなり、直腸にとどまりフタのように排便を妨げてしまうのです。
不溶性食物繊維の摂りすぎ
「食物繊維のとりすぎが、便秘を招く・・・」意外に感じているかもしれませんが、食物繊維の摂り方によっては便が固くなってしまうのです。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、それぞれ全く別の働きをするので、この2種類のバランスが重要になります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは、名前のとおり水に溶ける食物繊維なのですが、便をくるんでゲル状に柔らかくすることで、便がスムーズに動くようにする働きがあります。また、腸内の環境を良くしてくれる善玉菌のエサにもなります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水溶性食物繊維とは反対で水に溶けない食物繊維なのですが、便のかさを大きくし、腸を刺激することで排便をうながすので、弛緩性便秘のに効果があります。
しかし、この食物繊維ばかり摂っていると、腸内の水分が吸収され過ぎて便がカッチコチに固くなり、けいれん性便秘や直腸性便秘の人には逆効果になってしまいます。不溶性食物繊維は水溶性食物繊維にくらべて多くの野菜に含まれているので注意が必要です。
2つの食物繊維のバランスが重要
この2つの食物繊維は、水溶性:不溶性を1:2のバランスで摂ることが理想とされています。便が固くなってしまう人は不溶性食物繊維を摂りすぎていること多いのです。
腸の運動が弱まっているため
腸が動いて便を押し出そうとする動きを「腸のぜん動運動」というのですが、これが弱まっている場合があります。そうなってしまうと便が体内に長くとどまり、より多くの水分が腸から吸収されるので便が硬くなります。ぜん動運動が弱まってしまう原因は主に2つ考えられます。
腸内に悪玉菌が増えて、腸の動きが鈍っている
この場合、便を見ると、黒い色をしているのが特徴です。
腸に善玉菌が多いと便が柔らかく、黄色くなりますが、腸内環境が悪く、悪玉菌が増えていると食べ物を分解、吸収することが不十分になり、固くて黒い便になってしまいます。
腸内に悪玉菌が増えると
- 腸内に良い働きをする善玉菌が減る
- 腸内が腐敗する
- 便を硬く、臭くなってしまう
といった現象が起きてしまいます。ですので、善玉菌を増やして腸内環境を整えることが便を柔らかくすることにつながるんです。
運動不足で腹筋が弱まっている
運動不足などで、腹筋などの筋力が弱まると腸の動きが鈍くなり、便秘にもなりやすくなります。外を出歩くことが少ない人や、座り仕事が多く猫背ぎみの人にもこの傾向が見られます。
油不足
脂質を全く摂らないダイエットが流行っていましたが、油分も不足しすぎると便秘を招いてしまうんです。油は便を滑らかにし、腸の中をスムーズに排出するための、まさに潤滑油のような役割です。ですので摂らなさすぎると、便がスムーズに動くことができなくなってしまいます。
ストレスや睡眠不足
腸の運動は自律神経からの命令によって動いています。ストレスがたまったり、睡眠不足になってしまうと、この自律神経の働きを狂わせてしまい、腸がうまく働けなくなってしまうことがあります。
自律神経がうまく働き、腸がリズムよく動いているときは、便もちょうどいい長さにカットされ、バナナ状になります。このリズムが狂ってしまうと、便は小刻みに千切られ、小さく硬いコロコロな便に変わってしまうのです。
また、ストレスで引き起こされやすい下痢は水分や食物繊維を大量に排出してしまうので、残った便は固くなってしまいます。
以上の原因によって便は固くなってしまっています。ほとんど小さなことの積み重ねによるものですので、当てはまるものがないか思い返してみてください。
便を柔らかくして便秘を改善し、スッキリ快便になるには
固い便の原因は小さな習慣の積み重ねです。日常のちょっとした習慣を変えていくと、便秘は必ず改善します!!あなたにピッタリ合う方法を見つけて、スッキリと自然な排便を目指しましょう!!
毎朝「トイレタイム」をつくる
便が出ても出なくても、きまった時間にゆっくりトイレで過ごす「トイレタイム」を作ってみましょう。できれば朝、起きてから出かけるまでに時間を決め、5〜10分ほどトイレに座ってみましょう。排便の習慣を脳にすりこむことが目的なので、新聞や雑誌、スマホなどを持ち込んで気分転換がてら、始めてみるのはいかがでしょう。
水溶性食物繊維を意識して摂る
水溶性食物繊維は、便を柔らかくし、腸内の環境を良くしてくれるので積極的に摂るようにしましょう。
水溶性食物繊維が豊富なおススメの食品
切り干し大根、ゴボウ、こんにゃく、おくら、モロヘイヤ、かぼちゃ、ニンジン、納豆、海藻 |
腸内環境を整える善玉菌を増やす
水溶性食物繊維で善玉菌のエサを増やすだけでなく、善玉菌そのものもとりいれるようにしましょう。
善玉菌は、腸のぜん動運動を活発にする働きがありますが、ヨーグルトなどの発酵食品を摂ることで、腸の中の善玉菌を増やすことができるんです。
善玉菌を多く含む食品
ヨーグルト、つけ物、チーズ、納豆、ミソ |
運動不足を解消する
腹筋を鍛えても、腸のぜん動運動は活発になります。
ただ歩くだけでも案外腹筋を使っているので、運動不足の人は歩くことから始めてみてください。下腹に力を入れて姿勢よく歩くと効果的です。毎朝10回の腹筋でもいいので、続けられる程度の運動をすることがポイントですよ。運動する前に一杯の白湯を飲んでから始めると腸がさらに動きやすくなります。
こまめにたくさんの水分を摂取する
便秘を解消するには水分不足にならないすることが絶対に大切です。女性が一日に摂るべき水分の目安は1.5リットルと言われています。ただ、この量を一気に飲むのではなく
少しずつこまめにとるようにしてください。ただ水を飲むだけでなく、食事と一緒にスープやみそ汁などを飲むのもおすすめです。味噌汁やスープは、濃度が高く固形物を含むので、途中で水分が吸収されずに腸まで届きやすいんです。
オリーブオイルを取り入れてみる
油不足を補うには、オリーブオイル(エキストラバージンオイル)がピッタリです。腸の中で潤滑油のように働きますし、オレイン酸が腸のぜん動運動を促します。
- エキストラバージンオイルを選ぶ
- 1日あたりスプーン1杯程度にとどめる
- 朝とるとより効果的
などに気をつけて、普段の料理に使ってみてください。比較的さっぱりとした風味で、味付けの邪魔をしないのでとっても使いやすいです。
早めに病院に行く
「便秘で病院に行くのはちょっと・・・」とためらってしまうかもしれませんが、上記の方法を試したり、市販の便秘薬を飲んでいても深刻な状況に陥ってしまうことが無くはありません。便が硬いせいで排便が困難な場合や全くできない場合、消化器内科や胃腸科、便秘外来などを受診するとよいでしょう。まずは病院を受診して、便秘の原因を専門家に診てもらうようにしましょう。
どうしても今すぐ出したいときは・・・
便を柔らかくして、無理をすることなくスルッと排便できればそれがベストなのですが、今、この瞬間も便が固くて苦しんでいる場合は、そんなことも言っていられませんよね。
そこで、どうしても出ないときの対処法をご紹介していこうと思います。これらの方法は便秘を根本から治すようなものではなく、これらを続けたからと言って便が柔らかくなったり、便秘が改善するようなものではありません。緊急用という感じで頭に入れておいてください。
お湯につける
これは比較的、軽い症状に有効な方法です。
洗面器の中に少し熱めのお湯を用意し、そこにおしりを付けます。
肛門の周りの筋肉をほぐすように、肛門を開いたり閉じたりします。
ある程度筋肉がほぐれてきたら、リラックスしてただ肛門を開くような気持ちで便が出てくるのを待ってあげましょう。(強くいきんだりはしないようにしましょう。)
ウォシュレット
ウォシュレットで肛門あたりを刺激することで、肛門括約筋が緩んで便が出やすくなります。この方法はシャワーでも代用できます。
しかし、この方法をあまり頻繁に使ってしまうと、ウォシュレットなしで排便することができなくなってしまいます。また、肛門の周りの皮膚はとてもデリケートですので、長時間水を当てたり、強く当てすぎたりしないよう注意して試しましょう。
最終手段の便秘薬は便を柔らかくするタイプを選ぶ
便秘薬の使用は最終手段です。このとき大事なのは、「便を柔らかくするタイプ」の便秘薬を選ぶということです。
また、浣腸(かんちょう)も効果が高いかもしれません。浣腸は、肛門から注入する液体タイプの便秘薬です。直腸あたりに硬便がつまっている感覚がある場合は、使ってみてください。ただし、多用しすぎる症状がさらにヒドなってしまいます。
すでに直腸で硬くなっている便は、無理に出そうとすれば肛門や腸が傷ついてしまう場合もあるので、便秘薬は使用が日常化しないように注意し、苦しいときに使ってください。
便を柔らかくして便秘を改善しよう
便が固いのを放置しておくと、痔などの辛い症状になりやすいですし、それが続くと深刻な病気になったり、手術が必要になってしまう事もあります。さらに、放置しても治ることはあまりないのです・・・
しかし、できるだけ早く対処し、きちんと対策をすれば必ず治ります!!時には便秘薬に頼ってもいいですが、やはり自然に排便する習慣を作るのが一番の近道。私も便秘がひどく、固い便に肛門が切れてしまったときは「これはゼッタイ簡単には治らないな・・・」と確信していましたが、生活習慣を1つずつ変えていき、今では毎日スッキリ快便で過ごせています。
これを読んで、1人でも多くの人が苦しい便秘から開放されることを祈っています。
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